全465人の衆議院議員のうち、2024衆院選に出馬した現職は433人でした。そのうち当サイトでは283人を事前に分類・掲載していました。その中でも落選した現職議員を政党別に掲載しています。
政党別 落選者
落選者の政党別内訳は、以下の通りです。
政党別 | 掲載現職 | 落選者 |
---|---|---|
自民 | 144 | 25 |
立民 | 65 | 2 |
維新 | 30 | 10 |
公明 | 16 | 4 |
国民 | 5 | 0 |
共産 | 7 | 2 |
れいわ | 3 | 0 |
無所属等 | 12 | 4 |
参政党 | 1 | 0 |
全政党 | 283 | 47 |
当サイトに掲載していた283人の内、47人が落選しました。国民民主党とれいわ新選組、参政党に関しては、落選した掲載議員はいませんでした。
国民民主党は7→28議席(+21議席)、れいわ新選組は3→9議席(+6議席)、参政党は1→3議席(+2議席)になりました。
以下、落選した議員がいる政党について見ていきます。
自由民主党
自由民主党は、公示前の247議席から191議席(▲56議席)になりました。当サイトで掲載していた144議員に関しては、以下25人の議員が落選しました。
北海道3区 自由民主党「高木宏壽」投票候補
北海道5区 自由民主党「和田義明」以外に投票する
北海道比例 「自由民主党」以外に投票する(渡辺孝一)
宮城1区 自由民主党「土井亨」以外に投票する
宮城2区 自由民主党「秋葉賢也」以外に投票する
宮城4区 自由民主党「伊藤信太郎」以外に投票する
福島1区 自由民主党「亀岡偉民」以外に投票する
岩手3区 自由民主党「藤原崇」以外に投票する
長野1区 自由民主党「若林健太」以外に投票する
新潟4区 自由民主党「鷲尾英一郎」以外に投票する
神奈川9区 自由民主党「中山展宏」以外に投票する
神奈川20区 自由民主党「甘利明」以外に投票する
埼玉5区 自由民主党「牧原秀樹」以外に投票する
埼玉9区 自由民主党「大塚拓」以外に投票する
埼玉13区 自由民主党「三ッ林裕巳」以外に投票する
茨城5区 自由民主党「石川昭政」:投票候補
大阪13区 自由民主党「宗清皇一」以外に投票する
京都4区 自由民主党「田中英之」投票候補
兵庫1区 自由民主党「盛山正仁」以外に投票する
愛知5区 自由民主党「神田憲次」以外に投票する
福岡11区 自由民主党「武田良太」以外に投票する
大分2区 自由民主党「衛藤 征士郎」以外に投票する
広島5区 自由民主党「小島敏文」以外に投票する
岡山4区 自由民主党「橋本岳」以外に投票する
四国比例 「自由民主党(山本有二)」以外に投票する
このうち石川議員と高木議員、田中議員は、財政出動に賛成していました。それ以外の大多数は、財政出動に反対していました。
立憲民主党
立憲民主党は、公示前の98議席から148議席(+50議席)になりました。当サイトで掲載していた65議員に関しては、以下2人の議員が落選しました。
愛知1区 立憲民主党「吉田 統彦」:投票候補㊟
鳥取2区 立憲民主党「湯原俊二」以外に投票する
このうち吉田議員は、消費税の減税に賛成していました。立憲民主党の緊縮財政派の議員は、湯原議員しか落選しませんでした。
それ以外の政党
以下、維新、公明、共産、無所属の順に見ていきます。
日本維新の会
日本維新の会は、公示前の44議席から38議席(▲6議席)になりました。当サイトで掲載していた30議員に関しては、以下10人の議員が落選しました。
宮城2区 日本維新の会「早坂敦」以外に投票する
東京7区 日本維新の会「小野泰輔」以外に投票する
神奈川1区 日本維新の会「浅川義治」以外に投票する
埼玉15区 日本維新の会「沢田良」以外に投票する
京都1区 日本維新の会「堀場幸子」以外に投票する
兵庫5区 日本維新の会「遠藤良太」以外に投票する
兵庫10区 日本維新の会「堀井健智」以外に投票する
兵庫11区 日本維新の会「住吉寛紀」以外に投票する
愛知5区 日本維新の会「岬麻紀」以外に投票する
徳島1区 日本維新の会「吉田ともよ」以外に投票する
この10人は全員、財政出動に反対していました。
公明党
公明党は、公示前の32議席から24議席(▲8議席)になりました。当サイトで掲載していた16議員に関しては、以下4人の議員が落選しました。
北海道10区 公明党「稲津久」以外に投票する
埼玉14区 公明党「石井啓一」以外に投票する
大阪3区 公明党「佐藤茂樹」以外に投票する
大阪6区 公明党「伊佐進一」以外に投票する
この4人は全員、財政出動に反対していました。
共産党
共産党は、公示前の10議席から8議席(議席)になりました。当サイトで掲載していた7議員に関しては、以下2人の議員が落選しました。
東北比例 「共産党」投票候補(高橋千鶴子)
大阪5区 共産党「宮本岳志」投票候補
高橋議員は、民営化を鋭く批判した議員でした。宮本議員は、消費税の減税に賛成していました。
無所属
当サイトで掲載していた12議員のうち、以下4人の議員が落選しました。
新潟4区 無所属「泉田裕彦」:投票候補
東京11区 無所属「下村博文」以外に投票する
東京21区 無所属「小田原潔」以外に投票する
埼玉6区 無所属「中根 一幸」以外に投票する
この内、泉田議員は財政出動に賛成、残り3人は財政出動に反対していました。
選挙総括:政党別落選者の分析
今回の選挙で目を引くのは、立憲民主党でした。当サイトは立憲民主党の現職を65人掲載していましたが、そのうち45人を緊縮財政派として分類していました。ところが、その緊縮財政派の議員は、たった1人しか落選しませんでした。
政党別 | 掲載現職 | 落選者 |
---|---|---|
自民 | 144 | 25 |
立民 | 65 | 2 |
全政党 | 283 | 47 |
つまり、立憲民主党の消費増税派や緊縮財政派は、選挙で楽勝だったということになります。逆に、消費税の減税を主張していた吉田議員は落選しました。
また当サイトは、自民党の現職を144人掲載していましたが、そのうち133人を緊縮財政派として分類していました。そして投開票日の直前に、自民党の緊縮財政派は27人落選すると予想していました。
先に集計した両党の緊縮派の割合をそのまま当てはめると、自民党の緊縮派は27議席が(47×58%)落選しますが、立憲民主党の緊縮派が21議席(40×52%)当選してしまうため、両党あわせて緊縮派が6人しか減らないという計算になります。
2024衆院選 自民党と立憲民主党の経済政策比較 緊縮財政派の割合から両党を比較する
今回落選した自民党の緊縮財政派は22人だったので、だいたい予想した通りの結果になりました。この予想記事では、次のようなことも書いてました。
自民党と立憲民主党の緊縮派はほぼ同じような割合です。両党の間で票が大きく動いたところで、経済政策が大きく変わる可能性は低いでしょう。
2024衆院選 自民党と立憲民主党の経済政策比較 緊縮財政派の割合から両党を比較する
今回の衆院選で当選した立憲民主党の新人のうち、半分以上が緊縮財政派であることが判明していく可能性があります。そうなれば、与野党の第一党が経済政策を争点にしない「政治ゲーム」が行われる可能性が高いと思われます。
2021年の衆院選ではモリカケや桜を見る会が争点とされました。今回の選挙では、いわゆる裏金が争点とされました。いずれの選挙も、マスコミをはじめ、与野党の第一党が「裏金、モリカケ」を選挙の争点にすることによって、有権者の注意をそらすことに成功しました。
※参考情報 ここで掲載されている落選議員の一部は、次の選挙で立候補する可能性があります(例えば、東京~区総支部長という肩書が付いている場合)。