日本の物価とハイパー・インフレーション
上のグラフは、1997年の物価=1とした場合、その伸び率を表している。2021年の物価は97年比で1.02倍と全く伸びなかった(水平線)。ちなみにハイパー・インフレーション(1年で130倍)は垂直線のグラフになる。
アジア・オセアニア 6ヵ国の物価
アジアの物価を見てみると、97年=1とした場合、韓国が2.2倍。オーストラリアとマレーシアが1.8倍。25年間で1.02倍という日本の物価上昇率は、突出して低いことが分かる。
アメリカ大陸 4ヵ国の物価
97年=1とした場合、カナダが1.5倍、アメリカが1.7倍。バブルの頃は、東京の方がニューヨークよりも物価が高かった。しかし、この25年の間にアメリカに追い抜かれ、日本の物価は差を付けられてしまった。
ヨーロッパ 7ヵ国の物価
欧州の物価を見てみると、97年=1とした場合、ドイツとフランスが1.4倍。イギリスが1.6倍。ほぼ全ての先進国で物価は上昇したが、日本だけ物価を上げることができなかった。
先進国の物価は、毎年2%の上昇率
上記の先進国7か国の物価は、25年間で1.4倍から1.7倍に上昇した。年率に換算すると、約2%の物価上昇率。日本は水平線、ハイパー・インフレーションは垂直線。この2つの両端の間に、先進国の物価が斜め線で推移している。
日本の物価が全く伸びない理由:需要が供給より少ないため
需要が供給を上回ると、物価が上がる。これをインフレという。ほとんどの先進国では、需要が供給を上回っており、物価が毎年2%ずつ上昇している。
逆に需要が供給を下回ると、物価は下がる。これをデフレという。日本では、需要が供給を下回っており、物価が全く伸びなかった。この需要不足が原因で、日本はGDP、家計消費、平均年収が世界最低水準の伸び率に終わった。