名目GDPのグラフを更新掲載 3/6

【グラフ編】現実:日本のGDP成長率は世界最低水準 / 理由:需要が冷え込んでいるため

GDP・賃金
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名目GDPの伸び率

出典:United Nations『National Accounts (AMA)』名目GDP 自国通貨建て 参照

1997年と2023年の名目GDPを比較すると、1997年は544兆円、2023年は591兆円となっている。1997年の名目GDP=1とすると、2023年は1.09倍となり、日本はほぼ0成長だった。以下、アジア、北米と南米、欧州と伸び率を比較する。

アジア・オセアニア 9ヵ国の名目GDP伸び率

アジア・オセアニア9ヵ国の名目GDP伸び率
出典:United Nations『National Accounts (AMA)』名目GDP 自国通貨建て 参照

2023年/97年比でみると、インドは19.1倍、中国は15.8倍、マレーシアは6.4倍、オーストラリアは4.5倍、韓国は4.2倍。日本の1.09倍という伸び率は、アジアの中でも突出して低い数値となっている。

アメリカ大陸 4ヵ国の名目GDP伸び率

アメリカ大国4ヵ国の名目GDP伸び率
出典:United Nations『National Accounts (AMA)』名目GDP 自国通貨建て 参照

2023年/97年比でみると、アメリカとカナダはいずれも3.2倍。もし日本が両国と同じように経済成長していた場合、2023年の時点で名目GDPが1700兆円を突破しているはずだった。しかし、消費増税緊縮財政がそれを台無しにした。

ヨーロッパ 8ヵ国の名目GDP伸び率

ヨーロッパ8ヵ国の名目GDP伸び率
出典:United Nations『National Accounts (AMA)』名目GDP 自国通貨建て 参照

2023年/97年比でみると、スウェーデンが3.0倍、イギリスが2.8倍、ドイツとフランスが2.1倍。またポーランドは、人口の増加率が1%に留まっているが、6倍以上という高い経済成長率だった。

G7の名目GDP伸び率

出典:United Nations『National Accounts (AMA)』名目GDP 自国通貨建て 参照

2023年/97年比でみると、アメリカとカナダは3.2倍、イギリスは2.8倍、ドイツとフランスは2.1倍、イタリアは1.9倍。日本の経済成長率1.09倍はG7の中でも圧倒的に低い

日本の経済成長が低迷している理由:需要が冷え込んでいるため

先進国21ヵ国と日本のGDPデフレーター
出典:United Nations『National Accounts (AMA)』名目GDP 自国通貨建て 参照

上のグラフは、上記21か国の物価(GDPデフレーター)の伸び率を示している。26年の間、世界は物価を伸ばし続けてきたが、日本だけ物価が上がらなかった。日本の名目GDPが伸びなかった理由は、このような物価の持続的な上昇をもたらす好調な需要を、欠いていたからである。

補足データ:日本がドイツに追い抜かれた背景

出典:United Nations『National Accounts (AMA)』名目GDP 自国通貨建て 参照

2023年に日本の名目GDPは、ドル建てでドイツに追い抜かれた。これを自国通貨建てで比較すると、分かりやすくなる。

ドイツがユーロに加盟した1999年から2023年までの期間で比較すると、ドイツの名目GDPは2.1兆ユーロから4.2兆ユーロで2.0倍。日本は528兆円から591兆円で1.1倍だった。このように日本がドイツに追い抜かれた理由は、単純に日本が経済成長していないからである。

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