経済のメイン・エンジンである消費
上のグラフは、家計消費のGDPに占める割合を、国別で示している(1997~2022年の平均値)。アメリカとイギリスは60%以上。日本やドイツ、フランスは55%前後。家計消費は、ほぼ全ての国でGDPの半分以上を占めており、経済を動かすメイン・エンジンとなっている。
アジア・オセアニア 9ヵ国の家計消費
1997年の家計消費=1とすると、2022年の日本は1.08倍。中国やインド、インドネシアは12倍以上。先進国のオーストラリアやニュージーランド、韓国でも3.6倍以上。特にアフターコロナの2021年以降、アジアだけでなく、世界全体で家計消費の伸びが加速している。
アメリカ大陸 4ヵ国の家計消費
2022年/97年比でみると、アメリカが3.2倍、カナダが2.9倍。もし日本が両国と同じように経済成長していた場合、2022年の時点で名目GDPが1600兆円、家計消費が800兆円を突破しているはずだった。しかし、緊縮財政がそれを台無しにした。
ヨーロッパ 8ヵ国の家計消費
2022年/97年比でみると、人口が減っているポーランドが5.5倍という高い伸び率だった。これは人口が減っても内需が増えることを示している。またドイツは1.8倍、フランスは2.0倍、イギリスは2.5倍だった。このようにアジアや北米、南米、ヨーロッパのほぼ全ての国で消費が伸びていることが分かる。
日本の家計消費が低迷している理由:政府が消費の低迷を顧みずに消費税を上げ続けたため
経済政策としての消費税は、消費が過熱している時は増税、低迷している時は減税、というのが基本的な考え方である。そのため、消費税率を変更する時は、消費が過熱しているのか低迷しているのか、を正しく認識する必要がある。
前掲のグラフでも明らかなように、日本の家計消費は低迷していた。しかし、政府はこの消費の低迷を顧みることなく、本来やるべき政策とは真逆の増税を繰り返したことで、日本はGDP、物価、平均年収が世界最低水準の伸び率になった。