債務 対GDP比とは?

債務対GDP比とは、一般政府総債務を名目GDPで割ったものをいう。日本の債務対GDP比は、1995年の時点では外国と同じような水準にあったが、2020年には258%まで上昇した。
分数:債務対GDP比

258%という数字は、分子の一般政府総債務を、分母の名目GDPで割ることによって導き出されている。債務対GDP比が増加している原因は、分子の一般政府総債務が増加しているからだ、と誤解されることが多い。
分子:一般政府総債務

分子の一般政府総債務を1995年=1として先進国と比較すると、日本の増加率はむしろ低い方に属している。
分母:名目GDP

逆に分母の名目GDPを1995年=1として先進国と比較すると、日本の1.1倍という成長率は世界の中でもダントツに低い。
債務対GDPが増加している理由:GDPが全く成長していないため

債務対GDP比が増加している原因は、分子の政府債務ではなく、分母の名目GDPである。逆に経済が先進国並みに成長すれば、分母が増えて債務対GDP比の値が小さくなっていく。
それは恐らく賢明なことではあるが、どちらか一方が拡大しなければならない以上、負債と貨幣が一緒に一定のバランスで拡大することを容認している。
『機能的財政と連邦債』アバ・ラーナー