日本の『借金』
ニュースで報道される日本の『借金』は、一般政府総債務と呼ばれている。
一般政府総債務
中央政府と地方政府、社会保障基金の3主体が負っている債務の合計。2020年は2001年の1.8倍になり、「借金が膨れ上がっている」という報道が何遍もなされている。
データ概要
【期間】 2001~2020年
【データ】一般政府総債務
アジア・オセアニア 8ヵ国
世界的に見ると、一般政府総債務を増やしてきた国が多い。
2020年時点の一般政府総債務
中国は25倍以上、韓国は7倍以上に増加した。日本の1.8倍という増え方は、アジアの中で最も小さい。
データ概要
【期間】 2001~2020年 (2001=1)
【データ】アジア・オセアニア8ヵ国
- 日本 グレー
- 外国 色分け
アメリカ大陸 5ヵ国
アメリカとカナダは、コロナ対策として積極財政を推進し、政府債務が大幅に増加した。
2020年時点の一般政府総債務
カナダが約2.8倍、アメリカが約5.0倍。世界最大の経済大国が政府債務を日本よりも増やしてきた事実を示している。
データ概要
【期間】 2001~2020年 (2001=1)
【データ】アメリカ大陸5ヵ国
- 日本 グレー
- 外国 色分け
ヨーロッパ 8ヵ国
日本の政府債務は、ヨーロッパの先進国と比べても、それほど増えていない。
2020年時点の一般政府総債務
イギリスが5.7倍、フランスが3.0倍、ドイツが1.8倍。日本の政府債務は、ヨーロッパの先進国と比べても、それほど増えていない。
データ概要
【期間】 2001~2020年 (2001=1)
【データ】ヨーロッパ8ヵ国
- 日本 グレー
- 外国 色分け
現実:日本の『借金』は増えていない / 理由:外国より増えていないため
日本のいわゆる『借金』は、外国に比べると、それ程増えていない。
日本のイメージ:借金漬け
「日本は借金漬け」というイメージが先行している。
実際の日本:借金が少ない
実際の日本は、イメージと真逆になる。日本の一般政府総債務の増え方は、外国と比べると小さい。
政府債務が増加していない上に、国債の金利が低いので問題ない
政府債務を増やしても問題ないか否かは、主に国債の金利で判断する(物価も重要)。
超低金利の国債
政府は、主に国債を発行することで資金を調達する。この国債の金利は、0%と極めて低い。そのため、返済する利息は小さくて済む。
債務の大きさは関係ない
左のグラフは、債務が増えるに従って、金利が下がった事実を示している。政府債務を増やしても問題ないか否かは、規模ではなく、本来は金利で判断する。
これは、国家債務の絶対的規模が何ら問題にならず、債務の利払額がどれだけ多くても、全体として社会の負担にならない事を意味している。『機能的財政と連邦債』アバ・ラーナー