第2次岸田内閣(2023年9月13日)の顔ぶれをUPしました

【グラフ編】現実:日本の『政府債務』は、それほど増加していない /  理由:外国と比べても、それ程増加していないため

日本の借金の増え方は、外国と比べても小さい財政
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日本の一般政府総債務

出典:IMF『General government gross debt』参照、自国通貨建て

一般政府総債務とは、中央政府と地方政府、社会保障基金が負っている債務の合計。上のグラフは、1997年の一般政府総債務=1とした場合、その伸び率を表している。2021年の一般政府総債務は、1997年の2.45倍だった。

アジア・オセアニア 8ヵ国の政府総債務

出典:IMF『General government gross debt』参照、自国通貨建て

アジアの一般政府総債務を見てみると、97年=1とした場合、中国が2021年の時点で50倍以上。先進国のオーストラリアが8倍、ニュージーランドが5倍となっており、特に2020年のコロナ禍を境に、各国の政府債務は大幅に増加した。日本の2.45倍という増え方は、アジアの中で最も低い水準だった。

アメリカ大陸 4ヵ国の政府総債務

出典:IMF『General government gross debt』参照、自国通貨建て
※アメリカは2001年以降のデータしか無いため、アメリカだけ2001年を1としている

アメリカとカナダは、2020年のコロナ禍を境に積極財政へと舵を切り、両国の政府債務は急激に増加していった。カナダの政府債務は、97年=1とした場合、2021年で3.3倍。アメリカの政府債務は、2001年=1とした場合、2021年で5.2倍。日本の2.45倍という増え方は、アメリカの半分にも満たない。

ヨーロッパ 8ヵ国の政府総債務

出典:IMF『General government gross debt』参照、自国通貨建て

欧州先進国の一般政府総債務を見てみると、97年=1とした場合、イギリスが5.9倍、フランスが3.5倍、ドイツが2.1倍。日本の2.45倍という増え方は、欧州の先進国に比べて突出して高いという訳ではなく、むしろ低い方に属している。

日本の『政府債務』が増えていない理由:外国よりも増えていないため

日本の借金の増え方は、外国と比べても小さい
出典:IMF『General government gross debt』参照

「日本は過剰な政府債務を積み上げている」といったような報道が行われているが、日本の政府債務は、先進国の中でも最低水準の増加率である。この原因は、日本が過度な緊縮財政を行ってきたためであり、そのせいでGDP家計消費平均年収物価が全て世界最低水準の伸び率を記録することになった。

重要なのは国債の金利

長期債務残高が増えても、国債の金利は上昇することなく、逆に下落し続けた
出典:財務省『我が国の1970年度以降の長期債務残高の推移』 統計表『金利情報』参照

上のグラフは、長期債務残高が累積していくにつれて、国債の金利が下がってきたという事実を示している。政府債務を増やしても問題ないかどうかは、債務の規模ではなく、本来は国債の金利で判断する(物価も重要)。

これは、国家債務の絶対的規模が何ら問題にならず、債務の利払額がどれだけ多くても、全体として社会の負担にならない事を意味している。

機能的財政と連邦債』アバ・ラーナー
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