理由:「財政出動」に反対するため
2022年4月の財務金融委員会で、経済と財政について議論していました。
これは平均すると0.2%なんです
中川議員は、まず日本の経済成長率について議論しました。
GDP一つ取ってみても、10年前を遡って、もう一つその前の10年、このときに達成されたGDPの伸び率というのは、この10年間で、2003年から2012年まで0.4%ですよ。2013年から2020年まで、これは平均すると0.2%なんです。トータルで上がっていないんですね。逆に下がっているんですよ。
第208回国会 衆議院 財務金融委員会 第13号 令和4年4月5日
中川議員は、名目GDPの伸び率が低いことを紹介しました。

上のグラフは、先進国の名目GDPの伸び率を比較したものです。中川議員のいう通り、日本は世界最低水準のGDP成長率でした。
それが何回も何回も延長されて
次に、プライマリー・バランスについて議論しました。プライマリー・バランスとは、歳出を税収の範囲で賄うというルールで、政府支出を抑え込むために設けられています。
同時に、財政再建、さっきこれは触れられたことですから。これも真逆の話になっておって、毎年というよりも、一定期間置いて、プライマリーバランス、こんなふうに取っていきますよという形で、政策的に、政治的に目標を掲げても、それが何回も何回も延長されて、結果的には、債務について、非常にリスクの高いところ、水準まで来ている。
第208回国会 衆議院 財務金融委員会 第13号 令和4年4月5日
中川議員は、プライマリー・バランスの目標達成が何度も延期されたことを批判しました。

上のグラフは、各国の政府支出の伸び方を示したものです。中川議員のこうした議論によって、日本は世界最低水準の伸び率になりました。
産業界そのものがぬるま湯につかってしまった
さらに、政策金利について議論しました。
①そういう意味でいけば、この構造改革、いわゆる経済の構造改革というのは、日本の今の現状からいくと達成はされていない、本来目指した経済の復活というのは今なされていない。それよりも、よく言われる、ゆでガエルと言われますけれども、経済自体の甘い構造の中で新陳代謝ができなくて、それで新しいものが生まれてこないという、そんな体質にこの経済をしてしまった、それが量的緩和であったのではないかということ、こんなことも指摘をされ始めてきました。
②それに輪をかけて、本来なら企業の新陳代謝に向いて持っていかなければいけないものが、低金利の中で逆に企業が保護されたというか、過去がよかったからこれからもその状況でいいんだという、そのマインドを企業経営者の中につくり上げてしまって、それが、今の日本の状況の中で新しいものが生まれてこない、先ほど指摘がありましたけれども、アメリカのGAFAが生まれてきたような、国の活力というか、それが阻害されてきたということ、こんなことが背景にあったのではないかというふうに私は理解をしています。
…その結果、何が起こったか。さっき申し上げたように、目標としていたものが達成されるということよりも、そのことで様々な弊害が起こった。一つは、産業界そのものがぬるま湯につかってしまったというか、そのまま、新陳代謝を起こさずに競争力が低下をしていく、生産性が上がらないという状況をつくり出してしまった。
第208回国会 衆議院 財務金融委員会 第13号 令和4年4月5日
中川議員は、外国に比べると、日本の経済はぬるま湯につかっており、その理由は政策金利が低いからだ、と主張しました。

上のグラフは、各国の政策金利を比較したものです。日本の0金利が続いている27年という期間は、世界最長水準でした。日銀が金利を0にしている理由は、日本経済がぬるま湯に浸かっているからではなく、資金需要が冷え込んでいたからでした。
モラルハザードが起こって
最後に、国債について議論しました。国債とは、税収だけでは予算に届かないため、政府が資金調達するために発行する債券をいいます。
もう一方で、財政がこれだけとんでもない形で膨れ上がってしまった。これは、本来なら政治が制御をしていかなきゃいけないことなんだと思うんです、財政は。それは日銀のせいだとは言いませんよ。
だけれども、結果的に、国債を買い入れて金利を抑え込んでやれば、モラルハザードが起こって、そこでマーケットが本来は警鐘を鳴らしてくるものであるはずのものが、それがないということであるとすれば、政治はそこへ向いてしっかりくさびを打つことができない、できていないということ、こういうことだと思うんです。
第208回国会 衆議院 財務金融委員会 第13号 令和4年4月5日
中川議員は、日銀が国債の金利を低く抑える目的で国債の購入量を増やすことはインモラルだ、と主張しました。

上のグラフは、長期債務残高と国債の金利を示したものです。国債は超低金利の状態にあるため、国債の発行額が増えても何ら支障ありませんでした。
議論の内容に基づき「以外に投票する」議員に分類しました。
2021年衆院選の得票率
得票率49.8%の次点で当選しました。
(有効投票数219,320票 投票率54.86%)
当選者と次点 | 得票率 |
---|---|
川崎 英人※ | 50.2% (110,155票) |
中川 正春(立民、比例当選) | 49.8% (109,165票) |
※衆議院インターネット審議中継及び総務省選挙関連資料 参照
本記事に掲載されている経済のグラフ