以下のグラフは、1990年から2023年までの約30年間の実質賃金の推移を示したものである。
実質賃金のピークは1997年だった。同年に消費税を上げると、実質賃金は下がり始めた。翌1998年から2023年までの26年間、下落が続いており、下落が止まらない状況となっている。

この26年の下落幅は▲19.3ポイントにまで達している。このうち実質賃金が下がった年は19年であり、下落幅が大きかったのに対して、上がった年は7年であり、上昇幅は小さかった。
要するに実質賃金の推移は、短中期でみると、22か月連続で下落しているが、下落はもともと長期的な傾向なのである。
さらに下落幅の大きかった年をみると、1998年と2009年、2014年、そして2023年である。この4つの年だけで下落幅は▲10ポイントにも上っている。
ここで取り上げたいのが、消費増税でデフレ不況に突入した1998年と消費税を上げた2014年である。この2年だけで下落幅が▲5ポイントを超えている。消費税の増税が実質賃金を大きく押し下げたのである。この長期停滞を抜け出すためにも、一刻も早い消費税の減税が求められている状況なのだ。