インフレとは、物価が上がり続ける現象である。
ではハイパーインフレとは、なにか?
ハイパーインフレとは、物価が急速に上がる現象である。
そのことをグラフで視覚化してみよう。以下のグラフは、1997年の物価=1とした時の物価上昇率を示したものである
物価が真上に伸びている線、これがハイパーインフレである。そして、物価が斜めに推移している線、これが経済成長している先進国のインフレである。
先進国のインフレは、年率2%の緩やかな物価上昇であるのに対して、ハイパーインフレは、年率130倍(13000%)を超える急速な物価上昇なのである。
インフレとハイパーインフレの仕組み
ハイパーインフレは、なぜ起きるのだろうか?それを知るためには、まず先進国のインフレの仕組みを理解する必要がある。キーワードは、需要と供給だ。
先進国のインフレ
先進国では、モノやサービスに対する需要が供給を少しだけ上回っている。その結果、物価が年率2%の緩やかなペースで上昇し続けている。
経済成長している先進国のインフレは、物価が上がる→売上が伸びる→賃金が上がる→消費が増える→物価が上がる→…の好循環によって起きているのだ。
ハイパーインフレ
ハイパーインフレの下では、需要が供給を大幅に上回っている。供給能力が脆弱であったり、戦争や災害などで供給能力が破壊されると、需要に対して供給が全く追いつかなくなる。その結果、ハイパーインフレになってしまうのだ。
第一次世界大戦のドイツがハイパーインフレになったのは、生産能力が破壊されていたからである。一方、国民総生産の規模が大きい現代の日本やアメリカは、有事が起きない限り、ハイパーインフレになる可能性は無視できるほど小さい。
まとめ
最後に、ハイパーインフレーションを要約しよう。
- ハイパーインフレとは、物価が急速に上がる現象である
- 供給能力が脆弱化すると、ハイパーインフレになる
- 日本がハイパーインフレになる可能性は無視できるほど小さい
順位は落としたものの、日本は世界第4位の供給力を持っている。しかし、長い間、需要が低迷してきた。その日本に求められているのは、ハイパーインフレになる可能性を案じることではなく、先進国のように需要が好調な状態を作りだすことなのである。