理由:「財政出動」に反対するため
2011年8日の財務金融委員会で、財政について議論していました。
永久に続くのなら、それでいいんですよ
菅議員は、 まず国債について議論しました。国債とは、税収だけでは予算に届かないため、政府が資金調達するために発行する債券をいいます。
私は、実は(大震災の)3月11日前から、国債を発行することが、そのこと自体が悪いと言っていたんじゃないんです。それが持続可能かということを問題にしていたんです。
つまり、国債が永久に国内で消化できて、今のように長期10年物の金利が1%前後で続くのなら、永久に続くのならそれでいいんですよ。
第177回国会 参議院 財政金融委員会 第21号 平成23年8月23日
菅議員は、国債が低金利を維持するとは限らない、と主張しました。

上のグラフは、長期債務残高と国債の金利を示したものです。長期債務残高が増えるに従って、金利が下がり続けたことを示しています。
永久には続かない
ところが、国債について、次のような議論を展開しました。
しかし、私が財務大臣のときに経験したギリシャのことを、今でもそうですが、永久には続かないということですから、ですからどういうふうにその段取りを踏むかということで、当初の二度の補正予算は確かに国債を使いませんでした。
第177回国会 参議院 財政金融委員会 第21号 平成23年8月23日
菅議員は、ギリシャのように国債の金利が急騰することを恐れたため、国債を発行しなかった、と答弁しました。

アメリカ、カナダ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなど
上のグラフは、各国の国債金利を示したものです。確かに、ギリシャ国債の金利は暴騰しました。しかし、日本はギリシャと違い、自国通貨「円」の発行能力に制約がないため、国債を低金利に据え置くことができます。
プライマリー・バランスの赤字を…半減する
2011年8月の本会議で、プライマリー・バランスについて議論しました。プライマリー・バランスとは、歳出を税収の範囲で賄うというルールで、政府支出を抑え込むために設けられています。
財政の現状は、主要先進国の中で最悪の水準にあります。国債発行に過度に依存することは困難であり、財政健全化はどの内閣であっても避けることができない課題であります。
民主党政権下では、昨年6月、規律ある財政運営を行うため財政運営戦略を策定し、2015年度までに基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスの赤字を対GDP比で2010年度の水準から半減する、そして2020年度までに黒字化するとの財政健全化目標を掲げて着実に取り組んでいるところであります。
第177回国会 参議院 本会議 第34号 平成23年8月22日
菅議員は、プライマリー・バランスを改善するために、歳出の削減に取り組んでいる、と答弁しました。

上のグラフは、各国の政府支出の伸び方を示したものです。菅議員のこうした取り組みによって、日本は世界最低水準の伸び率に留まりました。当時、震災が発災してから半年も経たない中での議論でした。
議論の内容に基づき「以外に投票する」議員に分類しました。
2021年衆院選の得票率
得票率47.1%で当選しました。
(有効投票数259,123票 投票率59.86%)
当選者と次点 | 得票率 |
---|---|
菅 直人 | 47.1%(122,091票) |
長島 昭久※(自民、比例当選) | 44.7%(115,881票) |
※衆議院インターネット審議中継及び総務省選挙関連資料 参照
本記事に掲載されている経済のグラフ