理由:「財政出動」に反対するため
日本銀行の元職員です。2017年2月の予算委員会で、財政について議論していました。
歳出…改革…実現をさせていかなければいけない
小倉議員は、まずプライマリーバランスについて議論しました。プライマリー・バランスとは、歳出を税収の範囲で賄うというルールで、政府支出を抑え込むために設けられています。
…試算を見ますと、3%の経済成長シナリオでもなお、2020年の基礎的財政収支が6.4兆円の赤字ということで、2020年のプライマリーバランスの黒字化目標、これを達成するのは依然としてかなりチャレンジングな状況であるというのは間違いないと思います。
そういった中で、このプライマリーバランスの黒字化目標を達成するためには、歳出歳入の両面にわたる改革、見直しに加えまして、この経済成長シナリオが、期待や楽観ではなくて、やはり現実のものとして実現をさせていかなければいけないというふうに思っております。
第193回国会 衆議院 予算委員会公聴会 第1号 平成29年2月21日
小倉議員は、プライマリー・バランスを達成するために、政府支出を削減しなければならない、と主張しました。

上のグラフは、各国の政府支出の伸び方を示したものです。小倉議員のこうした議論によって、日本は世界最低の伸び率になりました。
私も同意見であります
次に、国債について議論しました。国債とは、税収だけでは予算に届かないため、政府が資金調達するために発行する債券をいいます。
中空公述人の、このまま財政拡大を続けていくと(上のグラフにある通り、実際には財政拡大していない)国債の格付に影響が出る、国債の格下げの影響というのは過小評価をしてはいけないというのは、私も同意見であります。
第193回国会 衆議院 予算委員会公聴会 第1号 平成29年2月21日
小倉議員は、財政拡大を続けると、国債の評価が落ちる、と主張しました。

上のグラフは、長期債務残高と国債の金利を示したものです。国債は超低金利の状態にあるため、国債を発行しても何ら支障ありませんでした。
国債の格付が下がると
再度、国債について議論しました。
…やはり、日本の企業が海外で資金調達をする際には国債の格付というのがキャップになりますので、日本の国債の格付が下がると、そのまま日本の企業が海外で外貨を調達するときにコストが上がってしまうということで、せっかく実力のある日本の企業も海外展開をしにくくなってしまう、これは日本経済にとっても足かせになり得るわけであります。
…そうなると、やはり私が重要だと思うのは、成長戦略であります。
第193回国会 衆議院 予算委員会公聴会 第1号 平成29年2月21日
小倉議員は、日本の国債に対する評価が落ちるだろう、と改めて主張しました。

上のグラフは、日本と外国の国債金利を示したものです。日本の国債が世界で最も低金利である理由は、外国の国債よりも人気があるからでした。
非常にまだ認識が甘かったんじゃないか
2020年2月の予算委員会で、デフレについて議論しました。デフレとは、需要が供給を下回ることにより、物価が下がり続ける現象をいいます。
私は、今の政権のマクロ経済運営、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、そして成長戦略の実現、極めて適切な経済運営ではないかと思います。
…恐らくインフレに対しては非常に注視をしていたと思うんですけれども、戦後初めて経験をするデフレの深刻さ、影響の大きさに対して、やはり初動の段階では非常にまだ認識が甘かったんじゃないかと思います。
第201回国会 衆議院 予算委員会 第7号 令和2年2月5日
小倉議員は、政府と日銀のデフレに対する警戒心が薄かった、と主張しました。

上のグラフは、各国の物価上昇率を比較したものです。日本は、世界最低の0%でした。
やってこられたと私は思います
次に、財政政策について議論しました。
そういう意味では、安倍政権ができまして、政府と日銀のアコード、政策目標ができて、黒田総裁が誕生して、自然利子率というのがあります。…非常に思い切った金融緩和をやらなければデフレの状況を脱却できないということだと思います。
そういうふうな認識に立って、日銀は政府と協調しながら金融政策をやってこられたでしょうし、財政運営についても同様です。…そういった意味では、財政運営も機動的にやる必要があったし、やってこられたと私は思います。
第201回国会 衆議院 予算委員会 第7号 令和2年2月5日
小倉議員は、日銀の金融政策だけでなく、政府の財政政策も十分だった、と主張しました。

上のグラフは、最初のグラフを再掲したものです。日本の財政支出は、世界最低の伸び率であり、全く不十分でした。
議論の内容に基づき「以外に投票する」議員に分類しました。
2021年衆院選の得票率
得票率51.2%で当選しました。
(有効投票数259,938票 投票率58.37%)
当選者と次点 | 得票率 |
---|---|
小倉 將信 | 51.2% (133,206票) |
伊藤 俊輔※ (立民、比例当選) | 48.8% (126,732票) |
※衆議院インターネット審議中継及び総務省選挙関連資料 参照
本記事に掲載されている経済のグラフ