外国人労働者のグラフを更新しました 7/18

外国人労働者の推移グラフと受け入れ政策の経済的な問題点

時事ニュース
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外国人労働者数の推移と問題点①

外国人労働者の数は年々、増加している。

出典: 厚労省『外国人雇用状況の届出』※特別永住者は届出義務の対象外

2014年の79万人から、2024年の230万人へ、150万人の増加となった。10年で3倍と急増している。さらに年を追うごとに、増加のペースが加速している。

2014年 前年比+7万人
2019年 前年比+20万人
2024年 前年比+25万人

直近の2024年は、前年比で25万人の増加となった。この増加のペースは、今後さらに加速していき、2027年には300万人、2035年には500万人を突破することが予想される。


外国人労働者受け入れ拡大の問題点②

外国人労働者受け入れ拡大の問題点は、彼らの賃金が日本人労働者よりも安いことにある。

出典:厚労省『賃金構造基本統計調査』参照 ※所定内給与:残業代・賞与を含まない月給

労働者全体と外国人労働者の所定内給与を比較すると、外国人労働者は、労働者全体に比べて3割ほど低くなっている※1


この賃金格差は、労働市場における経営者や雇用者にとって、外国人を優先的に雇用するインセンティブにつながる。

日本人は、外国人との賃金競争を強いられることになり、賃金が伸び悩む要因となる。これが外国人労働者受け入れ拡大の問題点である。


矛盾する賃上げ方針 問題点③

そもそも日本人の賃金は、世界と比較すると、全く伸びていない。

出典:OECD『Average Annual Wages』 厚労省『毎月勤労統計』一般労働者の名目賃金指数(現金給与)

賃金の伸び悩みは1997年から解消されないまま、2014年に入管法の改正が行われ、大量の外国人労働者を受け入れるようになった。

この改正入管法は、賃金の伸び悩みに拍車をかけており、政府の賃上げ方針と矛盾しているのである。


まとめ

最後に、外国人労働者受け入れ拡大の問題点を列挙する。

  1. 低賃金の外国人労働者の急増
  2. 日本人の賃金に対する下落圧力
  3. 賃上げ方針との矛盾


外国人労働者の問題は、賃金の未払いや就労環境の劣悪さなど、外国人労働者の立場から議論されることが多い。しかし、雇用や賃金の競争激化など、日本人労働者の立場から議論されることは少ない。

この議論の偏りは、日本人労働者の不利益を無視しているように見えることから、外国人労働者に対する不当な差別を招きかねない※2


さらに、受け入れ者数に対する長期的な展望が示されていないため、外国人労働者が1000万人、2000万人を超えたとしても、現段階では政府はそれを容認しているということになる。

本来ならば、外国人労働者の受け入れを拡大するべきか否かは、日本人労働者の立場も考慮されて然るべきだろう。日本人の賃上げを目指すのであれば、外国人労働者の受け入れ拡大政策は見直されるべきなのである。



1 所定内給与とは、労働契約の支給条件に基づく現金給与のうち、超過労働給与(時間外勤務手当、深夜勤務手当など)を差し引いた給与で、所得税控除前の金額を指している。

1 労働者全体の平均年齢は43歳、外国人労働者の平均年齢は33歳である。外国人労働者は「若くて安い」という特徴をもっている。

1 外国人労働者の賃金が安い理由として、年齢の若さが指摘されることがある。しかし、これは厳密には正しくない。労働者全体の年齢階層30~34歳でみると、平均賃金は28万円~30万円で推移している。それに比べて、外国人労働者の22~24万円は2割低くなっており、同じような年齢階層で比べても、外国人労働者の賃金はやはり低いのである。

※2 2025年7月の参院選で参政党が掲げた「日本人ファースト」は、日本人が被っている不利益や実害をなくそうというスローガンであり、その躍進は、既存の政党が拾い上げてこなかった民意をすくい上げた結果である。


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