外国人労働者のグラフを更新しました 7/18

日本国債の保有者内訳ランキングと推移、海外比率、日銀の保有動向

時事ニュース

保有者ランキング

2024年12月時点での、国債保有者ランキングである。

ランキング保有者保有高
1位日本銀行559兆円
2位保険・年金220兆円
3位預金取扱機関 106兆円
4位海外69兆円
5位一般政府65兆円
6位その他41兆円
7位家計15兆円

国債の総残高1074兆円のうち、保有比率が高い順に、日本銀行が52%、保険会社・年金基金が20%、預金取扱機関が10%、海外が6.4%を保有している。

その他3.8%には、金融仲介機関や投資信託などが含まれている。


海外の投資家の保有比率

海外の投資家は、年々、その保有比率を拡大させている。

日付保有高保有比率
2003年9月11兆円2.1%
2013年9月33兆円4.0%
2024年12月69兆円6.4%

これまで海外の国債保有高は、資金逃避による大きな変動に見舞われることなく、安定的かつ漸進的に増加し続けている。

日本の国債は、先進国の国債と比較しても、低金利で推移し続けており、海外から安全な投資先と見なされているのである※1


保有者内訳と日銀の保有比率の推移

以下のグラフは、日本国債の保有者内訳の推移を、1997年12月~2024年12月で示したものである。

出典:日本銀行「資金循環統計」四半期

このグラフで目を引くのが、2013年から急増している日銀の国債保有残高(保有比率)である※2

2013年3月  94兆円 (12%)
2017年6月  387兆円(41%)
2024年12月 559兆円(52%)


24年12月時点での実質的な国債の残高は、総計1074兆円のうち、日銀保有分の559兆円が政府との連結決算で相殺されるため、差し引き515兆円となる。

ちなみに日銀が政府の子会社であることは、日本銀行法で定められている。日銀の資本金が1億円、うち政府の出資金が5500万超と義務付けられている日銀HP



日銀の国債保有残高の今後

日銀の国債保有残高は、2024年から減少している。

2023年12月 581兆円
2024年3月  576兆円
2024年12月 559兆円

日銀は、2024年から国債の買入額が償還額を下回るようにしている。これが日銀の国債残高が減少している理由である。

出典:日本銀行「オペレーション」「日本銀行が保有する国債の銘柄別残高」

25年6月の金融政策決定会合では、買入額の減額幅を縮小することが決定された。ただし、この決定を経ても、国債の買入額は引き続き償還額を下回るため、今後も日銀の国債保有残高は縮小することになる※3


しかし先ほど見たように、日銀保有分の国債残高は、それが増えていようと減っていようと、結局は政府との連結決算で相殺されるため、その圧縮を政策の目的に据える必然性はないのである。






※1 日本の国債は、世界的にみても非常に低金利となっており、安全な投資債券である。

※2 黒田前総裁による国債の積極的は買い入れは、マネタリーベースの増加と軌を一にしている。

※3 日銀が国債の買入額を減額させて、長期金利の上昇を誘導している仕組みは、以下を参照。

タイトルとURLをコピーしました