保有者ランキング
2024年12月時点での、国債保有者ランキングである。
| ランキング | 保有者 | 保有高 |
|---|---|---|
| 1位 | 日本銀行 | 559兆円 |
| 2位 | 保険・年金 | 220兆円 |
| 3位 | 預金取扱機関 | 106兆円 |
| 4位 | 海外 | 69兆円 |
| 5位 | 一般政府 | 65兆円 |
| 6位 | その他 | 41兆円 |
| 7位 | 家計 | 15兆円 |
国債の総残高1074兆円のうち、保有比率が高い順に、日本銀行が52%、保険会社・年金基金が20%、預金取扱機関が10%、海外が6.4%を保有している。
その他3.8%には、金融仲介機関や投資信託などが含まれている。
海外の投資家の保有比率
海外の投資家は、年々、その保有比率を拡大させている。
| 日付 | 保有高 | 保有比率 |
|---|---|---|
| 2003年9月 | 11兆円 | 2.1% |
| 2013年9月 | 33兆円 | 4.0% |
| 2024年12月 | 69兆円 | 6.4% |
これまで海外の国債保有高は、資金逃避による大きな変動に見舞われることなく、安定的かつ漸進的に増加し続けている。
日本の国債は、先進国の国債と比較しても、低金利で推移し続けており、海外から安全な投資先と見なされているのである※1。
保有者内訳と日銀の保有比率の推移
以下のグラフは、日本国債の保有者内訳の推移を、1997年12月~2024年12月で示したものである。

このグラフで目を引くのが、2013年から急増している日銀の国債保有残高(保有比率)である※2。
2013年3月 94兆円 (12%)
2017年6月 387兆円(41%)
2024年12月 559兆円(52%)
24年12月時点での実質的な国債の残高は、総計1074兆円のうち、日銀保有分の559兆円が政府との連結決算で相殺されるため、差し引き515兆円となる。
ちなみに日銀が政府の子会社であることは、日本銀行法で定められている。日銀の資本金が1億円、うち政府の出資金が5500万超と義務付けられている日銀HP。
日銀の国債保有残高の今後
日銀の国債保有残高は、2024年から減少している。
2023年12月 581兆円
2024年3月 576兆円
2024年12月 559兆円
日銀は、2024年から国債の買入額が償還額を下回るようにしている。これが日銀の国債残高が減少している理由である。

25年6月の金融政策決定会合では、買入額の減額幅を縮小することが決定された。ただし、この決定を経ても、国債の買入額は引き続き償還額を下回るため、今後も日銀の国債保有残高は縮小することになる※3。
しかし先ほど見たように、日銀保有分の国債残高は、それが増えていようと減っていようと、結局は政府との連結決算で相殺されるため、その圧縮を政策の目的に据える必然性はないのである。
※1 日本の国債は、世界的にみても非常に低金利となっており、安全な投資債券である。
※2 黒田前総裁による国債の積極的は買い入れは、マネタリーベースの増加と軌を一にしている。
※3 日銀が国債の買入額を減額させて、長期金利の上昇を誘導している仕組みは、以下を参照。



