理由:「消費税減税」に反対するため
2007年10月の予算委員会で、財政について議論していました。
長期債務の増加を見てしまった
細田議員は、まず債務対GDP比について議論しました。債務対GDP比とは、一般政府総債務を名目GDPで割ることによって計算されています
しかし、バブルが崩壊しまして、平成になってからどのぐらい国と地方の借金がふえたかといえば、竹下、海部内閣のころ、その間にもちょっとおられましたけれども、そのころ260兆円なんですよ、国と地方の長期債務の合計は。
そして今年度末に773兆円、500兆円以上、GDPにも匹敵する長期債務の増加を見てしまったんです。…世界じゅうありません、GDP比1.48倍。
第168回国会 衆議院 予算委員会 第2号 平成19年10月9日
細田議員は、外国に比べると、日本の債務対GDP比の値が突出して高い、と主張しました。

上のグラフは、各国の一般政府総債務対GDP比を比較したものです。日本は増加の一途を辿り、2020年には258%に達しました。
もうプライマリーバランスが均衡するんですから
次に、プライマリー・バランスについて議論しました。プライマリー・バランスとは、歳出を税収の範囲で賄うというルールで、政府支出を抑え込むために設けられています。
ところが、この770兆円を3%これから消費税を上げようとするとどのぐらいかかるかというのは、財務大臣はお答えにならなくてもいいですが、100年かかります。3%消費税を上げると100年。
それから、770兆円の半分にするとしても50年かかるんですね。半分にする、大体400兆円にするだけで50年かかるわけであります。
…5月に私が財務大臣に聞いたら、いや、これから心配ですから、少しでも財政をよくするようなことを考えなきゃいけないと言われますが、もうプライマリーバランスが均衡するんですから、これ以上それを減らそうなどという、不届きとは言いませんが、不可能な考え方はやめたらどうか。
第168回国会 衆議院 予算委員会 第2号 平成19年10月9日
細田議員は、プライマリー・バランスを達成できれば、債務残高は減ることはあっても増えることはないので、プライマリー・バランスを目指すだけでよい、と主張しました。

上のグラフは、各国の政府支出の伸び方を示したものです。細田議員のこうした議論によって、日本は世界最低の伸び率になりました。

上のグラフは、各国の成長率を比較したものです。日本は、政府支出を抑え込んだ結果、世界最低の成長率になりました。日本は分母のGDPが増えなかったため、債務対GDP比の値が突出しました。
金利負担の増、これは毎年出ます。
さらに、国債について議論を進めました。国債とは、税収だけでは予算に届かないため、政府が資金調達するために発行する債券をいいます。
これから心配なのは、単純な毎年のプライマリーバランスだけじゃないんですね。つまり、金利が変動して、物価も上がった、金利も上げようというときに、その金利負担がだんだん上がってくる可能性もある。
その金利負担はプライマリーバランスの外にあるから、少し前広に増税などして、健全なものをとるためにより改善したい、こういう考え方が財務省の主流の考え方です。しかし、私はそうじゃないと思っているんです。先ほど最後に言われた金利負担の増、これは毎年出ます。プライマリーバランスといっても油断はならないんです。毎年毎年赤字が出てきて、それが累積して773兆だと思っていたら、800兆になったり820兆になったりする可能性もなきにしもあらずなんですよ。これからの景気次第です。
第168回国会 衆議院 予算委員会 第2号 平成19年10月9日
細田議員は、国債の金利が上昇すると、利払いが増えて財政負担が重くなる、と主張しました。

上のグラフは、長期債務残高と国債の金利を示したものです。国債は超低金利の状態にあるため、利払いは低いままでした。
消費税税制調査会のインナー・メンバー
細田議員は、与党税制調査会の最高幹部(通称、インナー・メンバー)として、消費増税の決定を下しました。
議論の内容に基づき「以外に投票する」議員に分類しました。
2021年衆院選の得票率
得票率56.0%で当選しました。
(有効投票数161,803票 投票率61.23%)
当選者と次点 | 得票率 |
---|---|
細田 博之 | 56.0% (90,638票) |
亀井 亜紀子 (落選) | 41.3% (66,847票) |
※衆議院インターネット審議中継及び総務省選挙関連資料 参照
本記事に掲載されている経済のグラフ