平均年収の伸び率

上のグラフは、フルタイム従業員の平均年収の伸び率を図示したもの。1997年の平均年収=1とすると、2023年は0.96倍。この伸び率0.96倍を、アジア、アメリカ、カナダ、欧州と比較する(参考値として、一般労働者の名目賃金指数も掲載している)。
アジア・オセアニア4ヵ国 平均年収の伸び率

厚労省『毎月勤労統計』名目賃金指数 参照
2023年/97年比でみると、韓国は2.8倍、ニュージーランドは2.4倍、オーストラリアは2.3倍。日本の0.96倍という伸び率は、アジアの中でも突出して低い数値となっている。
アメリカとカナダ 平均年収の伸び率

厚労省『毎月勤労統計』名目賃金指数 参照
2023年/97年比でみると、アメリカは2.4倍、カナダは2.1倍。もし日本が両国と同じように経済成長していた場合、2023年の平均年収は、少なくとも900万円を超えているはずだった。しかし、消費増税と緊縮財政がそれを台無しにした。
ヨーロッパ7ヵ国 平均年収の伸び率

厚労省『毎月勤労統計』名目賃金指数 参照
2023年/97年比でみると、スウェーデンは2.3倍、イギリスは2.2倍、フランスとドイツは1.8倍、イタリアは1.7倍。このようにアジア、欧米の先進国と比べても、日本の年収は全く増えていないことが分かる。
ヨーロッパで人口が減少した4ヵ国 平均年収の伸び率

厚労省『毎月勤労統計』名目賃金指数 参照
上のグラフは、ヨーロッパの人口減少国を掲載している。特にリトアニアとラトビアは、世界で最も人口が減少しているが、平均年収を大きく伸ばしてきた。3800万人の人口を擁するポーランドは、人口の増加率が1%に留まっているが、平均年収を4倍以上に伸ばしている。
日本の平均年収が世界最低水準である理由:外国よりも伸びていないため

厚労省『毎月勤労統計』一般労働者の名目賃金指数(現金給与) 参照
日本の平均年収は、先進国と比べても、人口減少国と比べても、ダントツに伸びていない。日本は平均年収だけでなく、GDP、家計消費、物価といった基本的な経済指標がすべて世界最低水準の伸び率だった。
これらの経済指標に共通していえるのは、消費税を上げた翌年の1998年から全く成長しなくなったということである。これを常識的に考えれば、経済政策に根本的な過失があったと見るべきであり、それを我々日本人は四半世紀以上も見過ごしてしまったことになる。