理由:「財政出動」に賛成するため
2021年の選挙で当選しました。2016年11月の総務委員会で、地方財政について議論していました。
国と地方の財政、制度的な相違も存在する
高木議員は、まず地方財政と国債について議論しました。国債とは、税収だけでは予算に届かないため、政府が資金調達するために発行する債券をいいます。
国は…特例公債(=国債)の制度がありますけれども、地方においては、地方財政法第5条の特例として発行される臨財債、臨時財政対策債のほかは、基本的にいわゆる赤字公債の制度は担保されておりません。
そこで、財政調整基金を積んで将来の税収減に備えるという手法が一般的であります。このように、国と地方の財政、制度的な相違も存在する…
第192回国会 衆議院 総務委員会 第6号 平成28年11月15日
高木議員は、地方自治体は、国と違い、通貨を発行することができないため、財源を自力で調達できない、と説明しました。

上のグラフは、長期債務残高と国債の金利を示したものです。高木議員のいう通り、国債は超低金利の状態にあるため、国債によって確保した予算を地方に移譲すれば済む話でした。
日本だけがデフレになって
2017年2月の予算委員会で、デフレについて議論しました。デフレとは、需要が供給を下回ることにより、物価が下がり続ける現象をいいます。
デフレではない状況ではあるけれども、デフレに逆戻りしかねない状況。今が、やはり経済再生、デフレ脱却に向けて一番大事な時期であると思います。
…その会合に出席したノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン教授は、リーマン・ショック後のデフレ化した世界経済をジャパニフィケーション、日本化していると表現いたしました。
どういう状況を日本化と呼んだかというと、90年代まで日本のGDPは米国、欧州と遜色のない水準だったわけですが、その後、日本だけがデフレになって、2014年に中国には2倍、米国には4倍、欧州には5倍に格差を広げられたわけであります。
第193回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第1号 平成29年2月22日
高木議員は、世界の中で日本だけがデフレに陥っている、と主張しました。

上のグラフは、1998年の物価=1としたときの、日本と世界40か国の物価上昇率を示したものです。日本の物価は1998年から全く伸びませんでした。高木井議員のいう通り、日本の物価は全く伸びていませんでした。
徹底的に財政支出をふかす
次に、財政支出について議論しました。
この日本化という現象を終わらせるためには、脱出速度というものが必要と、クルーグマンさんはおっしゃっておりました。脱出速度というのは、まさに短期的に、徹底的に財政支出をふかすことと理解しております。
同じくメンバーであったスティグリッツ教授も、需要不足には生産的な政府支出の増加が必要といって、財政政策の重要性を指摘しております。そこで、どうすればこの経済再生ケースに持っていって、GDP600兆円の目標実現に向けて日本経済が成長できるのか、財政政策が極めて重要と考えますが、大臣の所見を伺いたいと思います。
第193回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第1号 平成29年2月22日
高木議員は、需要不足の日本にとって財政政策が欠かせない、と主張しました。

上のグラフは、各国の政府支出の伸び方を示したものです。日本は需要不足を放置した結果、世界最低水準の伸び率に留まりました。
PB、基礎的財政収支を目標に掲げる合理的な理由は存在しない
続いて、プライマリー・バランス(略してPB)について議論しました。PBとは、歳出を税収の範囲で賄うというルールで、政府支出を抑え込むために設けられています。
以上のような理由から、成長を前提とするとき、そして金利が低い今、このPB、基礎的財政収支を目標に掲げる合理的な理由は存在しないのではないかなと思うわけですけれども、
経済再生、デフレ脱却を確実なものとして、名目GDPターゲットである600兆円達成には、クルーグマンさんが言っているように、脱出速度、すなわちPB等を考慮せず短期の徹底的な財政支出が必要と考えます。
二兎を追う者は一兎を得ずともいいますが、PBを考慮せず、このGDP600兆円の目標実現に向けて財政出動、金融政策を徹底すべきで、PBはその後おのずと黒字化していくと考えるわけですけれども、大臣の御所見を伺いたいと思います。
第193回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 第1号 平成29年2月22日
高木議員は、経済が成長すれば、PBは自然に改善される、と主張しました。

上のグラフは、各国の成長率を比較したものです。日本は、世界最低水準の成長率でした。GDPが増えると税収も増えるため、PBも黒字化するというのが、高木議員の主張でした。
議論の内容に基づき「投票候補」の議員に分類しました。
2021年衆院選の得票率
得票率44.7%で当選しました。
(有効投票数261,792票 投票率56.24%)
当選者と次点 | 得票率 |
---|---|
高木 宏壽 | 44.7% (116,917票) |
荒井 優※ (立民、比例当選) | 43.0% (112,535票) |
※衆議院インターネット審議中継及び総務省選挙関連資料 参照
本記事に掲載されている経済のグラフ