理由:「財政出動」に反対するため
2019年4月の本会議で、財政について議論していました。
あきれて驚きもしないようになりました
近藤議員は、まずプライマリー・バランスについて議論しました。プライマリー・バランスとは、税収のみで歳出を賄うというルールで、政府支出を抑制するために設けられています。
現在の経済金融政策が始まって、はや6年以上が過ぎました。最近では、毎度の物価上昇の目標達成見送りも、プライマリーバランス黒字化先送りについても、あきれて驚きもしないようになりました。
…私たち国民民主党は、「つくろう、新しい答え。」のもと、…プライマリーバランスの黒字化を始めとする財政の健全化…など、真摯に過去から学び、現実を見詰め、未来を見据えて行動していくことをお約束申し上げ、私の代表質問といたします。
第198回国会 衆議院 本会議 第16号 平成31年4月9日
近藤議員は、政府支出の削減が不十分に終わったため、プライマリー・バランスの黒字化を達成することができなかった、と主張しました。

上のグラフは、各国の政府支出の伸び方を示したものです。近藤議員のこうした議論によって、日本は世界最低水準の伸び率になりました。
国の借金返済のために使うべき
次に、国債について議論しました。国債とは、税収だけでは予算に届かないため、政府が資金調達するために発行する債券をいいます。
…今年度予算においても、国債発行額が減ったと総理は豪語されています。しかし、この約1兆円の縮減は、本法律案を前提とした預金保険機構からの8000億円の国庫納付と平成29年度の決算剰余金約2000億円に依存した結果にすぎません。
…財政健全化に本気で取り組むのであれば、みずからの顔を美しく見せるために使うのではなく、今回の利益剰余金も国の借金返済のために使うべきではないでしょうか。
第198回国会 衆議院 本会議 第16号 平成31年4月9日
近藤議員は、国債の返済額をもっと増やすべきだ、と主張しました。

上のグラフは、長期債務残高と国債の金利を示したものです。国債は超低金利の状態にあるため、発行額が増えても支障ありませんでした。
国債も買いすぎ
2022年11月の財務金融委員会で、日銀による国債の買い取りについて議論していました。
今、例えばアベノミクスの負の遺産については、例えば日本銀行の過剰になり過ぎたバランスシートの問題がありますよね。国債も買い過ぎて、新発国債以上に国債を買ってしまっているという大変おかしな状況になっていますし、ETFについても、含み益が幾らあろうが、株式市場をゆがめてしまっていることは間違いありません。
第210回国会 衆議院 財務金融委員会 第3号 令和4年11月18日
近藤議員は、日銀が国債を過剰に買い取っている、と主張しました。

上のグラフは、日銀が発行したお金の総額を示したものです。2021年4月時点で、600兆円を突破していました。近藤議員の議論は、日銀の通貨発行能力をみすみすドブに捨てるような議論でした。
金利を上げられる状況にしなかったのは誰の責任なんですか
次に、政策金利について議論しました。
ただ、これはもう爆弾です、日本経済にとってみれば。この爆弾を解体しようとすれば、下手な解体をしようとすれば、誤爆、誘爆を招きます。
先ほど、金利上昇、金利を上げることはできないという言い方をしましたけれども、そもそも金利を上げられる状況にしなかったのは誰の責任なんですかということなんですよ。そこを、私は開き直らないでいただきたい。
第210回国会 衆議院 財務金融委員会 第3号 令和4年11月18日
近藤議員は、日銀が政策金利を上げることができずにいる、と主張しました。

上のグラフは、各国の政策金利を比較したものです。日本では25年以上もの間、資金需要が低迷していました。その資金需要が冷え込まないようにするため、日銀は「金利を上げない」という判断を取り続けています。
その前に一言だけ
この近藤議員の批判に対して、日銀の黒田総裁は次のように応じました。
[黒田総裁の答弁]その前に一言だけ。 何か、日本銀行は金利が上げられなくなっているというようなことは全くありません。
あくまでも、現在の経済、物価情勢に照らして金利を上げるのが適切かどうかという観点から、それは適切でない、今の金融緩和を続けることが適切だというふうに考えているということは御理解いただきたいというふうに思います。
第210回国会 衆議院 財務金融委員会 第3号 令和4年11月18日
黒田総裁は、政策金利を上げることはできるが、それをしないのは資金需要が冷え込んでいるという判断をしているからだ、と説明しました。しかし、近藤議員はこの説明を理解することができませんでした。
議論の内容に基づき、「以外に投票する」議員に分類しました。
2024衆院選の得票率
得票率54.4%で当選しました。
(有効投票数141,993票、投票率62.5%)
当選者と次点 | 得票率 |
---|---|
近藤 和也 | 54.4% (77,247票) |
西田 昭二※ (自民、比例当選) | 43.2% (61,308票) |
※衆議院インターネット審議中継及び総務省選挙関連資料 参照
本記事に掲載されている経済のグラフ