第2次岸田内閣(2023年9月13日)の顔ぶれをUPしました

【グラフ編】現実:日本の金利は世界最低水準 / 理由:資金需要が冷え込んでいるため

物価・金利
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景気の見通しと資金需要の関係

景気の見通しが明るい時、個人や法人はお金をさらに借りようとするため、資金需要が活発になる。

逆に景気の見通しが悪くなると、お金を借りるよりも、抱えている借金を返済しようとする。

資金需要の加熱効果・抑制効果をもつ政策金利

日銀が金利を上げると、それに追従して民間の金融機関も貸出金利を引き上げる。すると、個人や法人の返済負担が重くなるため、資金需要は冷え込む。

逆に日銀が金利を下げると、資金需要は過熱する。そのため、政策金利には資金需要を刺激したり、抑制したりする効果がある。

市中銀行の貸出金利

1995年、日銀は金利を0.5%に引き下げ、それに追随して都市銀行も貸出金利を引き下げた。

都市銀行は、資金需要が弱かったため、貸出金利を下げ続けてきた
出典:日本銀行 『基準割引率および基準貸付利率、無担保コールレート、新規の貸出約定金利』参照
※無担保CLは月平均 ※都市銀行は、みずほ、三菱UFJ、三井住友、りそな、埼玉りそな

市中銀行は、1995年以降も貸出金利を下げて融資を拡大させようとしたが、肝心の法人向け融資は伸び悩んでいる。

日本の政策金利

日銀は金利を上げて資金需要をこれ以上冷ます訳にはいかなかった
出典:BIS『Central bank policy rates』参照

日銀の0金利政策は、27年以上続いている。資金需要が絶不調なため、日銀は金利を引き上げる訳にはいかなかった。

アジア・オセアニア7ヵ国の政策金利

日本の金利の低さが際立っている
出典:BIS『Central bank policy rates』参照

韓国とニュージーランドの政策金利は、コロナ禍によって0%代を付けていたが、それぞれ1.75%、2%で推移している(22年6月現在)。

アメリカ大陸 3ヵ国の政策金利

リーマン・ショックやコロナ以後、アメリカとカナダは金利を引き上げている
出典:BIS『Central bank policy rates』参照

アメリカとカナダの政策金利は、コロナ禍によって0%代に落ち込んだが、それぞれ1.625%、1.5%で推移している(22年6月現在)。

ユーロとヨーロッパ3ヵ国の政策金利

27年以上、金利を上げることができない日本
出典:BIS『Central bank policy rates』参照

イギリスの政策金利は、1.25%で推移している(22年6月現在)。日本が0金利を推移している27年という期間は、ヨーロッパの先進国と比べても突出して長い。

日本の金利は、世界最低水準

日本の0金利が続いている27年という期間の異常さ
出典:BIS『Central bank policy rates』参照

海外の先進国は、リーマン・ショックやコロナのような不況が訪れても、金利を下げる余地を残しているため、政策金利を部分的な防波堤として活用している。

それに対して日本は、金利を下げる余地を残していないため、ショック波をもろに受けてしまう。

日本の金利が低迷している理由:資金需要が不調だったため

海外の先進国では、需要を見込むことができたため、お金を借りてでも消費や投資をしようとする人が多かった。

逆に日本では、需要を見込むことができなかったため、お金を積極的に借りようとする人は少なかった。

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