理由:「自由貿易」と「規制の緩和」に反対するため
2016年10月のTPP特別委員会で、貿易について議論していました。
何でこんなに変わるのか
篠原議員は、TPPについて議論しました。TPPとは、太平洋に面する12ヵ国(アメリカ、カナダ、オーストラリア、マレーシア等)との貿易協定をいいます。
TPP影響試算の比較というのをちょっと見ていただきたいと思います。
…2013年にはこういう形で、最初ブルネイに行ったりして交渉を始めたときに、GDPでは3.2兆円プラス(の経済効果があると試算された)…
…2015年になると、打って変わって、何でこの2年間の間に急成長を遂げるのかわからないんですが、この2年間でGDPは急にアップして13.6兆円(の経済効果)になると。
…こういう計算を示されたら、国民はこれを信用すると思いますか。石原担当大臣、どう思われますか。これだけ振幅が激しい。何でこんなに違うのか、同じ政府でやっていて。大臣がかわって大臣の一言でこう変わったわけじゃない。客観的に計算していて、別に2013年のTPPの内容と2015年の内容がそれほど大きく変わったわけではないはずです。わかりませんけれどもね。何でこんなに変わるのか。
第192回国会 衆議院 環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 平成28年10月28日
篠原議員は、政府が試算したTPPによるGDPの押し上げ効果を疑問視しました。

上のグラフは、TPPに加盟しなかった場合と、加盟した場合の政府試算を比較したものです。政府の試算は、赤字の純輸出に内需増加分をふかすことで、GDPの押し上げ効果を水増ししていました。
どうもちょっとおかしいんです
2017年5月の経済産業委員会で 、TPP11について議論しました。TPP11とは、TPPからアメリカを除いた11ヵ国との貿易協定をいいます。
問題は「TPP11への立場」です。
…一番右が川崎研一さん、前の旧経企庁の官庁エコノミストです。彼がGTAPモデルで計算しています。今は政策研究大学院に行っておられるそうですけれども、TPP12カ国と11国で計算したのが出ています。
ニュージーランドは数字がないので出ていませんけれども、オーストラリアがなぜしゃかりきになるか。明らかなんです。見てください。太字で書いてあります。1.08%のGDPの押し上げから1.18%で、唯一、この数字がある国ではふえているわけです。
日本(のTPP11)はマイナス0.26ポイントです。それほど大きなマイナスじゃないんです。もともと、もと(のGDP)がでかいですから。… 日本は、余り得しているわけじゃないのにしゃかりきになる。どうもちょっとおかしいんです。
第193回国会 衆議院 経済産業委員会 第15号 平成29年5月24日
篠原議員は、民間の試算によると、GDPの押し上げ効果がマイナスであるにも関わらず、政府はTPPを前のめりになって押し進めている、と主張しました。

上のグラフは、TPP11に加盟した場合と、加盟しなかった場合の政府試算を比較したものです。政府の試算は、赤字の純輸出に内需増加分をふかすことで、GDPの押し上げ効果を水増ししていました。
どう読み取るかということの姿勢が前進する気はない
2018年12月の規制改革推進会議で、漁船の免許規制に関する議論が行われていました。漁船の免許規制を担当する国土交通省の官僚が説明を始めるや否や、フューチャー㈱会長の金丸議長が罵詈雑言を浴びせました。
金丸議長代理:〇課長、もう結構です。前に進めたいので。
〇課長:ちゃんと説明する時間をいただけませんか。ここでやれと言われたから、今、説明しろと言われたから一生懸命頑張ってやっているのです。今日いただいてですね。
金丸議長代理:よく分かりました。一生懸命御説明されていることはよく分かりましたけれども、私の感想としては、〇さんは一切変える気はないと。
〇課長:いえ、そういうことではありません。○金丸議長代理:審議官に私はお聞きしたいのだけれども、規制改革推進会議、事務方も含めて我々は、ずっとこれからもこのような議論を続けるということですか。
第2回水産ワーキング・グループ 2,018年12月
○大臣官房審議官 すみません、今、細かい内容について御説明させていただきましたけれども、一切変えないと言っていることでは全くありません。
○金丸議長代理 そのように聞こえました。先ほどのスケジュール表を見ても、100隻、全部調査する。2年、3年ぐらいかかる。その先の検討も相当時間がかかる。だから、規制改革推進会議の実施計画の文章の読み方、そこから合意形成しなければいけないのではないですか。
○課長:どういう意味でしょうか。合意形成したものが文章になっておりますので。
金丸議長代理:いや、そのつもりですね。
○課長:どういう意味か分からない。
金丸議長代理:そのつもりなのだけれども、これをどう読み取るかということの姿勢が前進する気はないように思ったのですが、誤解ですか。
○課長:それはちょっとどうかと思います。今後の技術の進展がありましたらしっかり対応するということを繰り返し申し上げておりますので。
金丸議員は〇課長に対して、官邸の方針に基づいて免許規制を早く緩和しろ、と言い放ちました。
もともと、改正漁業法の狙いは、漁船の大規模化によって、漁獲量を増やすことでした。従来は、20t以上かつ24m未満の漁船を運転するために、船長の海技士(航海)免許と機関長の海技士(機関)免許が必要でした。この内、後者の海技士(機関)免許を免除する規制緩和でした。
本当によくないと思っているんです
2020年4月の決算行政監視委員会で、篠原議員は、この金丸議長の発言を取り上げました。
この水産ワーキンググループの議事録。ちょっと見ていただきたいんですけれども、じっくり。
…〇課長に対して、もう結構です、前に進めたいと金丸議長が言うわけです。ちゃんと説明する時間をいただけませんかと。だけれども、金丸議長代理が、〇さんは一切変える気はない、これからもずっとこのような議論を続けるということですかと。物すごい高圧的な議論ですね。
…私は、今これが実態だと思うんです。官邸の何々委員。国民に名前を書いていただいたわけでもない。それから、国家公務員試験を通って国家公務員になっているわけじゃない。いや、元国家公務員だという人が言いわけをするかもしれません。この人たちがこう言って、知らない。課長が一生懸命説明しようとしているのを制する。
…これは僕はひど過ぎると思うんです。水産ワーキンググループといっていますけれども、さすが、その専門委員は水産の人が入っていますけれども、メンバーを見たら、水産をわかっている人なんかいない。この人たちが決めて、そして、やれと。それで、もう各省は防御一辺倒です。悪いことをしている、やる気がない、だから俺たちがやらせるんだ、こういう態度でずっとやっているんですね。私はこのやり方が本当によくないと思っているんです。
これは、ぜひ大臣、パワフルな大臣として、改めていただきたいと思います。
第201回国会 衆議院 決算行政監視委員会第四分科会 第1号 令和2年4月6日
篠原議員は、規制の内容を理解しようとすらしない高圧的な企業委員を批判しました。
議論の内容に基づき「投票候補」の議員に分類しました。
2021年衆院選の得票率
得票率48.7%の次点で比例当選しました。
(有効投票数250,385票 投票率59.74%)
当選者と次点 | 得票率 |
---|---|
若林 健太※ (自民) | 51.3% (128,423票) |
篠原 孝 (比例当選) | 48.7% (121,962票) |
※衆議院インターネット審議中継及び総務省選挙関連資料 参照
同じ選挙区から出馬した現職 本記事に掲載されている経済のグラフ