減り続ける現金給与

上のグラフは、現金給与総額の推移を示したグラフ。現金給与総額とは、基本給、残業代、賞与の合計を月平均にしたもの。一番給料が高かったのは1997年。そこから給与水準は大幅に下落し、2022年は1990年の水準を下回っている。
下がり続ける名目賃金(現金給与総額)

上のグラフは、名目賃金指数の推移を示したグラフ。名目賃金指数とは、既出の現金給与総額を指数化したもの。2022年の名目賃金は2021年の時から上がっているため、一見すると、その1年間は豊かになっているかのように見える。
実質賃金=名目賃金÷物価

実質賃金とは、名目賃金を物価で割ったもの。豊かさを測る代表的な指標である。名目賃金と物価が全く同じように変動する架空の世界では、上のグラフのように、実質賃金は横ばいになり、物価や賃金について考える必要がなくなる。
消費増税とエネルギー価格高騰による物価上昇

上のグラフは、物価の推移を示したグラフ。物価は1998年から20013年まで下がり続けていたが、2014年の消費増税と2022年のエネルギー価格高騰により上昇している。
物価が高いと感じる理由:賃金が物価より下がったため

ここ30年の物価と賃金の傾向を総括すると、名目賃金は下がったのに対して、物価は上がったため、実質賃金は下がり続け、貧しくなっていった。
実質賃金が下落すると、給料が物価に見合わなくなり、物価が高いと感じるようになるため、実質賃金は物価の体感値を表している(実質賃金の下落=物価が高くなったと感じる、実質賃金の上昇=物価が安くなったと感じる)。そして、日本の給料と物価は、いずれも世界最低水準の伸び率を記録している。